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議会改革の検証
-第二次議会改革への方向性の検討-

分野
政治学、現代日本政治、議会
キーワード
地方政治、議会改革、自治体
社会環境学部 社会環境学科

助教 木下 健

研究概要

 なぜ地方議会は不必要と言われるのであろうか。議会で議決される条例のほとんどは首長提案であり、修正もされず、原案可決が大多数を占めている。この理由として、日本の地方政府の制度的特徴として、首長は強力な議題設定権を持っており、議会は首長の決定を了承する承認機関となってきたためである。こうした状況を踏まえ、2006年5月に北海道栗山町が議会基本条例を制定して以降、地方議会改革は全国的に広まり、一定の成果をあげている。議会への住民参加、議会の透明性の確保、討議機能の強化などが取り組まれてきた。
 各地方議会の取り組みの体制は異なっており、①議会運営委員会、②特別委員会、③調査会・検討会、④常設の議会推進組織、⑤専門家・市民を含む組織という改革形態の違いにより、異なる成果が得られると考えられる。例えば、議会運営委員会であれば、運営に関する事項を扱っているため、議会への住民参加や透明化、討議機能に効果があるといえる。

 しかし、立法機能については不十分と言わざるを得ない。特別委員会を設置して議会改革に取り組んだとしても、立法機能への成果は一部であり、特別な立法に関する場の設置に留まり、議員提案条例が増えている訳ではない。地方議会が独自の政策立案を行うためには、更なる取り組みが求められる。こうした問題についてデータを分析し、事例を調査し、解決策を検討している。

表1:改革形態の違いによる成果

利点・特徴

 今後それぞれの自治体に応じた第二次議会改革がなされると予想される。そのため、この第一次議会改革の検証を行い、改革の進め方の違いを明らかにすることを試みる。本研究が議会改革の方針を示すことによって、適切な第二次議会改革が今後実施されることが期待される。
 つまり、議会機能の弱い箇所に応じた議会改革の進め方を選択し、補強していくことが可能になることである。本研究によって明らかになる事柄(議会改革の選択肢の提示)を踏まえて、必要に応じた議会改革をカスタマイズできるようになるといえる。

応用分野

 本研究は、自治体の議会に関する取り組みを対象としているが、あらゆる会議体の機能強化に役立てることが可能である。会議を改革する際に、構成員の選定、議事録の公開、他の関係者の議会への参加、各議員の賛否の公開、運営に関する取り決めなどを変更する際に、どのような体制により変更を検討するかが参考となる。
 また、地方議会の改革は、透明性を増し、外部からの監視を強化するものであるため、信頼回復のための取り組みである。一度、信頼を失った会議体が、どのように改革を進めていくかについて貢献すると考えられる。

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