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消散項を持つ非線形偏微分方程式の数学解析

分野
非線形偏微分方程式
キーワード
非線形偏微分方程式、消散項、時間大域解、高次漸近展開、階の爆発
工学部 知能機械工学科

准教授 竹田 寛志

研究概要

1.消散型波動方程式の解の大域挙動

 消散型波動方程式は数学的な取り扱いの始まりとともにその解の大域挙動が拡散方程式の解の挙動に類似していることが明らかになった。実際、解を熱核によって展開すれば、2次展開まではその一致が見られる。これに対して、我々は消散型波動方程式の解に対する拡散方程式の解による高次展開公式の導出に成功して、その系として初期値の重みに応じた解の熱核による近似公式が得られた。熱核による3次展開から消散型波動方程式と拡散方程式には違いが生じることは指摘されていたが、非線形問題にも適用できる形で、展開次数に制限を付けずに展開公式が導けたことが利点である。さらにこの成果をもとに、非線形問題の高次漸近展開理論を進展させた。

2.弱い摩擦項を持つ非線形梁方程式の解の大域挙動

 Fourier 解析を基本とした調和解析学の理論を用いて弱い摩擦項を持つ非線形梁方程式の解の諸性質を明らかにした。周波数空間において周波数の大小に応じて性質を分けて考察を行う方法は標準的であるが、その中で高周波成分において重み付き評価に関して正則性損失型の構造があることが著しい点である。基本解の持つ平滑化効果を利用して、この正則性損失を回避し、最適な時間減衰評価を示す解の時間大域適切性を得ることに成功した。

利点・特徴

 具体的な非線形偏微分方程式に対して各論を行うことで、解の詳細な情報を得ることを目標としている。特に、対象とする方程式の解が他の方程式の解とどのように似ているのか、どのように異なっているのかを数学を用いて記述することで、方程式の背景にある現象の構造的理解が可能となる。また、各論をもとに方程式に特有の解の性質を定量的に導出することも目標とする。

応用分野

 上述の偏微分方程式を用いている全ての分野

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