学習者の自己調整学習を促す
形成的フィードバックに関する研究

研究概要
英語に苦手意識を持つ学習者の自己調整学習、動機づけ、自己効力感を高めるために有効な形成的フィードバックの研究を行っている。形成的フィードバックとは、学期末などに学習者に総括的に伝えられるテストの点数や評価といった総括的なフィードバックとは異なり、学習者が学習プロセスに従事している間になされるものである。
本研究室では、授業後に学生が記載するリフレクションシートに表れる文言と定期的な対話から得られた情報をもとに、教師が与える形成的な観点からのフィードバックがどのような影響を与えるのかを複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて分析している。TEMは複数の人間が最終的に同じような状態や状況にたどり着いたとしても、それまでの径路は複数あるという視点に立ち、移行や変化のプロセスを捉える質的研究方法である。同じゴールまでの複数の径路を想定しているが、9±2人の径路分析を行うと、全員が必ず通る通過点や共通点を見出すことができる。本研究室では、それらを捉えることで一般性のある形成的フィードバックの提供方法を考案することを目的としている。

リフレクションカードの一例

7人のカードから得られたTEM図の一部分

フィードバックを中心とした学生との対話

アクティブ・ラーニングによる英語クラス
利点・特徴 | 教師からの形成的フィードバックは、英語に苦手意識を持つ学習者が自分で学習をモニタリングし、フィードバックを行いながら学習に取り組むことをサポートしている。近年推奨されているアクティブ・ラーニングに有効な指導法の一つだと考えられる。 |
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応用分野 |
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